65歳以上への雇用保険適用拡大、マタニティハラスメント防止、介護休業制度  の見直しなどを盛り込んだ法律案要綱を妥当と答申

労働政策審議会は15日、厚労相から諮問されていた「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」について、これをおおむね妥当と答申。
今回答申がなされた法律案要綱では、65歳以降新たに雇用される人を雇用保険の適用対象とするなどの改正のほか、労働政策審議会雇用均等分科会による昨年12月21日付けの建議「仕事と家庭の両立支援対策の充実について」に盛り込まれた育児・介護休業法などの見直し、マタニティハラスメント防止に向けた男女雇用機会均等法の見直しなど、多岐にわたる改正が盛り込まれています。
主な改正点は以下のとおり(一部抜粋)となっており、厚生労働省では開会中の通常国会への法案提出に向け、今後準備を進めることとしています。

【雇用保険法関係】
・介護休業給付金の算定に用いる賃金日額の上限額を、「45~60歳未満の受給資格者に係る賃金日額の上限額」に改定(現行は「30~45歳未満」の上限額で、1万4210円)
・介護休業給付金の額を当分の間、休業開始時点の賃金月額の100分の67に引き上
げ(現行は100分の40)
65歳に達した日以後新たに雇用される者を雇用保険の適用対象(高年齢被保険者)とし、失業した場合には高年齢求職者給付金を支給する
・育児休業給付金の支給対象となる子の範囲に、特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子などを含める
・介護休業給付金の支給について、介護を行う対象家族1人につき3回までの休業を支給対象とする

【労働保険徴収法関係】
・16年4月以降の雇用保険率を「1000分の15.5」(農林水産業・清酒製造業は1000分の17.5、建設業は1000分の18.5)とする(16年度は弾力条項規定により、失業等給付の雇用保険率は1000分の8とする予定)
・64歳以上の者の雇用保険料を免除する規定を廃止する

【男女雇用機会均等法関係】
・女性労働者の妊娠・出産や、産前産後休業ほか妊娠・出産に関する法制度を利用することに対する言動で就業環境が害されないよう、相談・対応体制の整備ほか必要な措置を講じることを事業主に義務づける

・事業主が講ずべき措置について、厚生労働大臣が指針を定める

【労働者派遣法関係】
派遣先を派遣労働者を雇用する事業主とみなして適用する事項に、前掲均等法関係の妊娠・出産に関する言動に対する措置、育児・介護休業法が定める不利益取り扱いの禁止などの規定を追加する

【育児・介護休業法関係】
・有期契約労働者の育児休業申出要件を、①当該事業主に雇用された期間が1年以上である者、②養育する子が1歳6カ月に達する日までに労働契約が満了することが明らかでない者、とする
・介護休業について、93日を限度として対象家族1人につき3回の休業を可能とする
・子の看護休暇と介護休暇について、短時間労働者などを除き、省令で定める1日未満の単位での取得を可能とする
・介護のための所定外労働の制限を新設する
・介護のための所定労働時間の短縮等の措置(短時間勤務、フレックスタイム、時差勤務など)を講じる期間について、介護休業との通算を廃止し、「労働者の申出に基づく連続する3年以上」の期間とする
育児休業や介護休業を利用した者に対する言動で就業環境が害されないよう、相談・対応体制の整備ほか必要な措置を講じることを事業主に義務づける
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000108756.html
≪参考情報≫ 建議「仕事と家庭の両立支援対策の充実について」
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000109181.pdf

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